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ICL治療が適用できるのはどのような症状か

近視や乱視、遠視から白内障や老眼など、視力低下にはさまざまな原因があります。メリットの多い治療法として注目を集めるICL治療は、それらに対してどのように対応できるのでしょうか。

ここではさまざまな視力低下とICL治療の関係について説明します。

近視とICL治療

眼に入ってきた光が網膜より前でピントが合ってしまい、近くのものは見えるのに遠くのものがぼやけてしまうのが近視です。

その原因は遺伝によるものもありますが、現代ではパソコンやスマホ、ゲームなどで目を酷使することも原因だと考えられます。近くのものを見続けることで、ピント調節力を使いすぎてしまうわけですね。

レーシックなどの視力矯正法は強度の近視には対応できませんが、ICL治療は幅広い度数の近視矯正に効果が期待できます。

遠視とICL治療

眼に入ってきた光が網膜より後ろでピントが合ってしまい、近視とは逆に近くのものが見えにくくなるのが遠視です。

眼軸(眼の前後方向の長さ)が通常よりも短かったり、角膜や水晶体の屈折力が弱かったりするのが原因です。遠くのものは見えるのですが、常にピントを調節するため目が疲れやすく、結果として両方とも見えにくくなってしまいます。

ICL治療は遠視に対応するレンズもあり、近視や乱視と同様に視力矯正の効果を期待できます。

白内障とICL治療

白内障は近視や乱視、遠視のように屈折の異常やピント調節力の異常ではなく、水晶体が濁ってしまう病気です。その多くは加齢によって発症し、早ければ40代、そして80代では程度の差こそあれほとんどの人が白内障の状態になるといわれます。

ICL治療は白内障の視力矯正を目的としたものではありません。しかし、ICL治療によって白内障のリスクが高まるという報告もあります。現在では新たなレンズの開発によってそのリスクが軽減されています。

老眼とICL治療

加齢によって眼のピント調節力が衰え、手元など近くが見えにくくなるのが老眼の症状です。

若いうちは水晶体の厚みを変える組織が働くことでピントを調節できますが、年齢を重ねると水晶体そのものが硬くなって厚みが変わりにくくなり、近くのものにピントが合わなくなってしまいます。したがって、老眼は屈折異常ではなく調節異常だといえます。

ICL治療は屈折異常を矯正する手術ですので、基本的に老眼を矯正することはできません。しかし、近視の人が老眼を感じにくくするために受けることは可能です。

ICL治療が向いている人

高い視力矯正の効果を期待できるICL治療ですが、ライフスタイルによってもICL治療が向いている人がいます。

スポーツをしている人、ドライアイの人、コンタクトレンズをつけっぱなしにしている人、花粉症などアレルギー症状がある人がそれにあたります。

裸眼で生活できるようになるだけではなく、それ以外のメリットも多く得られそうな人はぜひICL治療を検討してみましょう。