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目のかゆみや痛みなどがあるとき、無意識で目をこすってしまう人も多いでしょう。しかし無意識にした行為によって、身体に悪影響を及ぼす可能性もあります。ここでは目をこする行為のリスクや注意点などまとめました。
目には角膜と呼ばれる薄い膜があり、目を守るバリア機能としての役割を果たしているそうです。しかし目をこすってしまうと、表面に傷がついてしまい、バリア機能が衰えてしまう可能性が高まる危険性があります。
もし異物が入ってしまえば、その異物によって角膜を傷つけてしまい、角膜びらんになってしまうでしょう。また異物が入っていなくても白目が腫れる結膜浮腫、結膜化出血、充血などの症状をきたすことがあるでしょう。
また目を何度もこすってしまえば、角膜の変形が起こり円錐角膜と呼ばれる眼球突出をきたすことも。そうなれば視力不良になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
目がかゆくなってしまう原因の一つに感染症があります。片目に流行性角結膜炎などの感染症を起こしている場合には、両方の目をこすることで、感染していない目まで観戦してしまう可能性が高まってしまうでしょう。また傷口から細菌が入り、そこから感染症をきたすこともあるので注意が必要です。
まぶたの皮膚は非常に薄く、僅かな刺激によっても炎症が起こりやすい部位です。そのため、こする行為によって赤く炎症が起こり、色素沈着を引き起こす可能性もあります。また、まぶたのたるみの原因にもなるので注意しましょう。
アレルギー症状をきたす原因物質が、結膜に入ることでアレルギー反応をおこしてしまい、目の充血やかゆみなどをきたす疾患です。酷いケースだと、結膜が浮腫み、白目の部分がぶよぶよになってしまうことも。ハウスダストやスギなどの花粉など様々なものがアレルギー物質になることがありますが、近年ではコンタクトレンズの汚れが刺激となり、アレルギー性結膜炎を引き起こすことも分かってきています。
上まぶたの裏側に、乳頭と呼ばれる大きなブツブツができ、炎症を起こしている疾患のことです。アレルギー性結膜炎のひとつで、コンタクトレンズの付着物などによるアレルギー反応だと考えられています。かゆみや、目やにが増える、充血する、目がくもるなどの症状以外にも、コンタクトレンズの付け心地がわるくなることも。
アデノウイルスなど何らかのウイルスに感染し、目やにが出る、瞼が腫れる、充血などの症状をきたす疾患のことです。たとえば夏にプールなどで移るプール熱の場合は、目の症状だけでなく、発熱や下痢、吐き気などの全身症状も伴います。
乾燥した部屋で過ごす、目を酷使するなどで、目の表面にある涙が蒸発し、水分量が減ってしまうと角膜が乾燥してしまいます。それによって、角膜に十分な酸素や栄養素を届けることができず、目の疲れや充血、異物感などの症状を引き起こすのです。
手元に目薬などがない場合、冷やすのが一番効果的です。冷やすことで、自然とかゆみが収まってくるでしょう。もし目薬が手に入るなら、スーとする刺激のあるタイプを活用するのもアリです。清潔なタオルを冷たい水でヒンヤリさせ、目に優しく当ててください。もし花粉症などでかゆみが起こっている場合には、こまめに洗眼するのも良いでしょう。
目のかゆみについて軽い疾患と考えがちです。しかし状況によっては早めに対処しなければ、手遅れになってしまうことも。最悪の場合、失明に繋がる疾患の可能性もあります。安易に自己判断せずに、しっかりとした専門機関で診てもらうようにしましょう。かゆみを抑えるための目薬なども処方してもらえます。早い段階で正しい処置を行うことで重篤化を防ぐことができまるでしょう。