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睡眠時に専用のコンタクトレンズを装着して視力を矯正するというオルソケラトロジーは、手術ではないので比較的手軽にできる視力矯正法といわれています。ICL治療とはどう違うのか、メリットやデメリットも含めて比較してみましょう。
| オルソケラトロジー | ICL治療 | |
| 施術の方法 | 睡眠時に専用のコンタクトレンズを装着して角膜を矯正する | 眼の中に眼内コンタクトレンズを移植する |
| メリット | ・手術ではないので副作用や合併症の心配がない ・子どもでも治療が可能 |
・ドライアイが起きにくい ・近視の戻りが起こらない ・強度近視でも受けられる ・レンズを取り出すことができる |
| デメリット | ・睡眠前に装着する手間 ・レンズに寿命がある |
・費用が高い |
ICL手術は、眼球をわずかに切開して専用のコンタクトレンズを挿入することで視力を矯正する手術です。手術と言っても、同じ視力矯正手術であるレーシック手術とは異なり角膜を切開しません。別名「眼内コンタクトレンズ挿入術」と言います。
対して、オルソケラトロジーは外科手術ではありません。睡眠中に「高酸素透過性コンタクトレンズ」を装着することで寝ている間に角膜の形状を修正し、近視を矯正することができます。コンタクトレンズを装着しているのは睡眠中だけなので、日中は裸眼で過ごせます。
ICL手術に要する時間は、片眼で約15分となっています。短い時間で済むので、両眼の手術を一度に済ませられ、手術したその日に日帰りできるのが一般的です。
対して、オルソケラトロジーでは手術は行いません。睡眠中にコンタクトレンズを装着することで視力を矯正するのですが、最低でも1日に6時間以上の睡眠をしなくてはならないので、睡眠時間が短くなりがちな方には向いていません。
ICL手術の場合、個人差はありますが手術直後からある程度は視力が回復します。基本的に回復までは24~48時間かかるといわれており、手術当日には70%、翌日には90~100%ほどの回復が見込めます。
対して、オルソケラトロジーの場合にはコンタクトレンズを装着して就寝した翌日には視力が回復しており、日中は回復した視力で過ごせます。ただし、就寝する頃には視力がもとに戻っているので、再びコンタクトレンズを装着します。
装着と裸眼での生活の繰り返しではありますが、使用期間が長くなるほど効果も持続しやすくなり、1週間程度で回復した視力を維持することが可能です。
ICL手術は、レーシック手術とは異なり角膜の切開を行いません。そのため、比較的他の切開やレーザーを必要とする施術よりも、白内障などの合併症を引き起こす危険性が低くなっています。また、ドライアイや術後の違和感、視力の低下なども起こりにくいのが特徴です。
対して、オルソケラトロジーは手術ではないので体が傷つくことは一切ありません。コンタクトレンズの使用をやめれば角膜も元の状態に戻ります。さらに、メスを使わなくていいので手術に抵抗がある人や、体に負担のかかる手術のできない小さな子供にも適用可能という大きなメリットがあります。
費用については医院やクリニックによって違いますが、ICL手術が約40万円から、オルソケラトロジーはレンズオーダー、レンズ受け取り合計で16万円という例があります。
ICL手術とオルソケラトロジーはどちらがいいかについてですが、総合的に見てみるとICL手術に軍配が上がります。
ICL手術の費用は高いものの、矯正効果は大きく、人体への侵襲も必要最低限。1回の施術で済むので、毎日就寝時にコンタクト装着が難しい方でも問題なく視力回復が可能です。
オルソケラトロジーには、手術をしないのでメスを入れたくない人や小さな子供にも適用可能、費用が比較的安くて済むといったメリットがある反面、ICL手術に比べて6時間以上の睡眠が必要、強度近視や乱視・遠視、重度のドライアイは矯正不可という制限があります。
オルソケラトロジー比較しても、ICL治療には優れている点が多くあります。
ICL治療は眼内コンタクトレンズを挿入したままにするので、入れ替えや手入れ、メンテナンスの手間がかからず、普通のコンタクトレンズのような維持費も不要です。また、レンズの種類も幅広い度数に対応しているので、強度の近視でも治療を受けることができます。
レンズも研究開発が進んでおり、以前よりも目にやさしく高機能なものが増えています。
オルソケラトロジーとは、睡眠中に特殊なハードコンタクトレンズを装着して角膜の形状を変え、近視や乱視を矯正する治療法です。起床してレンズを外しても一定時間は角膜の形状が維持されるため、その人の活動時間帯は眼鏡やコンタクトレンズを使用せずに裸眼で生活することができます。
このレンズは高酸素透過性の素材でできているため、寝ている間に装着していても問題ありません。レーシックほどの知名度はないかもしれませんが、世界各国でも有用性が認められ、治療が行われています。
ほかの視力矯正法と同じように、オルソケラトロジーも保険適用外の治療法となります。
クリニックによって金額はさまざまですが、専用レンズは概ね20万円前後が相場といえそうです。治療開始時にはまとまった費用がかかりますが、交換は2~3年に1回ですので、長期的に考えれば普通のコンタクトレンズ以上の費用対効果があるといえるかもしれません。
治療期間としては開始から月1~2回の診察、その後は半年に1回程度の検診が必要となります。強度の近視の場合は、安定した視力を得られるまで1年程度かかることが多いようです。
最大のメリットは、その人の生活時間帯を裸眼で過ごせるということです。
そしてオルソケラトロジーは手術ではなく、簡単にいうと角膜に跡をつけるだけの処置です。したがって角膜の強度が落ちることがなく、何か不具合があれば治療を中止するだけで元に戻ります。眼鏡やコンタクトレンズが不要になれば格闘技などの激しいスポーツも可能ですし、小学校低学年でも治療が可能な場合もあります。
装着するのは寝ている間だけなので、眼鏡やコンタクトレンズによる眼精疲労や頭痛に悩まされていた人は、その苦しみからも解放されるでしょう。
デメリットは睡眠時に専用のオルソケラトロジーレンズを装着しなければならない煩わしさでしょうか。寝ているときでも装着して問題のない素材ではありますが、普通のコンタクトレンズと同じように角膜に傷がついたり感染症を起こしたりするリスクはあります。
また、専用レンズの寿命は2~3年といわれており買い替えが必要になります。
もう一点、強度の近視や乱視には使用できない場合があるのもデメリットといえるでしょう。